会員投稿

会員投稿⑧ 入会の挨拶

同級生の黒﨑弘正さんの紹介で東京支部に入会させていただきました、平成元年卒の富田興二です。国家公務員をしています。2013,14年頃、国土交通省都市局に在籍し、当時、有識者から「日本の都市行政は数十年遅れだ」と言われたりしていたのですが、「プレイスメイキングシンポジウム2014」を開催するなど、都市行政をコンテンポラリーなものに改革しました。
(1) リノベーションまちづくり・現代版家守などの「パブリックマインドを持った民間主導の、補助金に依存しない自立的・持続的なまちづくり」
(2) 居心地が良く賑わい・活気のある都市空間の魅力の創造などの「パブリックスペース・パブリックライフの再生・創造」
の2点は、現在、都市行政・国土交通行政の施策の大きな柱になっています。2015年には、(株)LIFULL HOME’S総研所長の島原万丈所長から御相談いただき、調査研究レポートの「Sensuous City[官能都市]」に企画協力・執筆しました。 大変話題になり、島原万丈所長の新書『本当に住んで幸せな街』は今でも好評だと思います。ご興味がございましたら是非一度御覧になってください。
その後、国の研究所に出向した際には、「ストリートデザインガイドライン」の企画原案と、寸法・形態等の技術協力をしたりしました。建築学会特別委員会委員・筑波大学非常勤講師等のお話しも頂き、社会貢献だと思いできる範囲での活動も始め、昨年は建築学会全国大会のパネルディスカッションで取組の一端を御紹介しました。

最近R&D(Research and Development、研究開発)とかEBPM(Evidence-based policy
making、証拠に基づく政策立案)という言葉を耳にするようになりましたが、社会人になってからずっと仕事のため建築・都市・まちづくりの研究を並行して進めていたのが功を奏し、重宝がられていて、ありがたいことだと思っています。

結局『十二表法』(前450年頃)から現在まで、建築・都市・まちづくりに関係する記述に目を通し、都市文明・物事の始まりや行動規範について記述の有る文献に厳選して、1万冊以上収集しています。建築・都市・まちづくりの貴重書も含め、古今東西の新刊・古書を、東京八重洲OAZOなど新刊大型店、代々木上原・LOS PAPELOTESや神保町・明倫館書店などの実店舗・催事・ネットの古書店、国内外のオークション、国立国会図書館などで、仕事に即してチェックし必要に応じて収集したものばかりです。高校時代に培った現代文・古文・漢文・英語、大学の音楽部で嗜んだラテン語・ドイツ語・フランス語・イタリア語などが、日常的に役に立っており、感謝しています。

実は、宇都宮高校OBの建築家・塩田大成さん(平成5年卒 株式会社ビルススタジオ)の御厚意で、宇都宮市もみじ図書館OHYA BASEに収集した資料の一部の約4,000冊を、無償貸与させていただいています。美味しいコーヒーもいただける居心地が良い環境で、来館者に手に取って読んでいただけるようになっています。仕事や研究に必要になったものはその都度引き上げてしまいますが、それでも、実用的な本が国立国会図書館・日本建築学会図書館等よりも揃っていると思います。特段御専門でない一般の方にも十分楽しめる本が揃っていると思いますので、機会がございましたら是非お越しください。